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資料館つれづれNo.43『寒いから寝よう』

2021年1月20日(水)

寒いから寝よう

 

2020年の年末からの年越し寒波に続き、熊本市内でも雪のちらつく寒波襲来!そして、動物資料館は空調機器の工事中のため、持ち寄った暖房器具で少しばかりの暖をとれるだけの環境です。今日(1月10日)の事務室の室温12℃、研究室の室温は7℃。ああ、寒い!

 

人間は防寒着を着たり、暖房器具を使用したりと防寒対策をすることができますが、自然界の生き物の中には、土の中などにもぐってじっとしたまま過ごす「冬眠」をするものがいます。

 

寒さが厳しいと植物もあまり育たなくなり、動物や昆虫などのエサとなるものが不足します。とても過酷な環境といえるでしょう。暖かくなって再び生きていくのに適した環境になるまでの期間を何とかして生き延びようとするための戦略が冬眠です。

 

冬眠するとき、生き物は体温が低くなり体の機能も不活発な状態で過ごします。リスやクマなどの哺乳類やヘビやカメなどの爬虫類、カエルなどの両生類・・・多くの種類の生き物たちが静かに冬眠し、冬をやり過ごすのです。

 

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10℃に満たない室内でじっとしているトノサマガエル

 

冬眠というとずっと寝て過ごしているように思いませんか?しかし、実際は生き物の多くは冬眠途中で起きたりしているようです。動物資料館の冬眠する生き物たちも寝たり起きたりして『冬眠』します。

 

動物資料館の生き物で冬眠する(させる)のは爬虫類のヘビ(アオダイショウシマヘビ)やカメ(ミシシッピアカミミガメクサガメニホンイシガメ)と両生類のカエル(トノサマガエルニホンアカガエル)やサンショウウオ(トサシミズサンショウウオ)たちです。

 

爬虫類、両生類ともに気温に合わせて体温が変わる変温動物。自然の中では変温動物の一部は温度変化の影響を受けにくい土の中や水の中にもぐってじっとしています。

 

では、この冬の資料館の生き物たちの冬眠の様子を見てみましょう。

 

カメは、資料館の外にあるカメ池と研究室にいます。

カメ池のカメは例年寒くなり始める11月ころから食欲が落ち始めます。気温がさらに低くなるとご飯を食べなくなるので、その前にいつものペレットに加え、アジなどの魚をたっぷり食べさせ栄養補給。12月からはご飯もやりません。そうすると、皆水の中でじっとして過ごすようになります。日差しの暖かい日は日向ぼっこをする姿が見られますが、ご飯を食べず、ウンチもほとんどしません。3月の末まではこの状態が続きます。

 

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カメ池のカメ・水に潜っています

 

研究室の水槽には、小さめの幼いカメがいます。こちらにはヒーターを入れ水温20℃くらいに保っています。すると、室温が低くてもごはんも食べればウンチもします。水温を保つことで寒くなる前と同じ生活ができるのです。つまり冬眠しないまま冬を過ごすことができるのですね。

 

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水が温かいと冬もへっちゃら!

 

昨年の冬、ヘビたちは昼間室温22~23℃の展示室で過ごしました。それで冬の間も首をもたげたりしている様子をご覧になったお客様も多いかと思います。でも、夜間は空調をOFFにするのでぐっと気温が下がります。なので、10月後半から食欲が落ち始め、アオダイショウとシマヘビは11月ころからは昼間は活動しているように見えても、週に一度のご飯も全く食べなくなりました。軽い冬眠状態だったのですね。

 

空調設備工事中の今年はどうでしょう?室温10℃を下回る研究室で、ケージの隅っこでしっかりとぐろを巻いてじっとしています。「今日は少し暖かいかな」と感じる日にケージ内の水槽の水につかっていることもありますが、もちろんご飯を食べなければウンチもしません。しっかり冬眠状態です。

 

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とぐろを巻いてじっとしているアオダイショウ

 

カエルはどうでしょう?

アカガエルに十分ご飯を食べさせ、しっかりウンチをさせて昨年11月に研究室の約7℃に温度設定した冷蔵庫で冬眠させました。冷蔵庫に入って以来ご飯も食べさせずに静かにしていましたが、そっとのぞくとこんな感じ。しっかり寝ているわけではないようですが、半分目を開けてボーっとしています。「寒くて眠いよー」と言っているようですね。昨年は冷蔵庫内で冬眠中のトノサマガエルがピョンとはねている姿にびっくりしました。ちょうど目を覚ましたタイミングだったようです。

 

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静かにしてよ!!

 

カエルやサンショウウオの仲間には、寒い冬の冬眠を経験した後に繁殖するものが多いようです。この冬カスミサンショウウオとトサシミズサンショウウオでも冬眠にチャレンジしてみました。アカガエルと同様しっかりご飯を食べてウンチもさせての冷蔵庫(7℃設定)入り。うまくスイッチが入るでしょうか?冷蔵庫から出た後に新しい命と出会えるのが今から楽しみです♬

 

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トサシミズサンショウウオも冬眠チャレンジ

 

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この苔の中にもぐろうかな

 

カエルもサンショウウオも冬眠チャレンジしていない個体は9月にお引越しさせた管理センターで、18℃前後の室温の中、ふつうにご飯を食べ元気に動き回っています。

 

「春よ来い」とつぶやきながらたくさんのカエルやサンショウウオを冷蔵庫へと見送りました。にぎやかな春がやってくることを想像するとウキウキしますね。

 

☆★資料館・津田★☆

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