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園長日記

動植物園で守る絶滅危惧種

2020年7月23日(木)

こんにちは。熊本市動植物園園長の戸澤です。 


なが~い梅雨ももうすぐ明けそうですね。今年は、熊本県南が豪雨災害にみまわれ、人吉、球磨、八代、芦北の各地で甚大な被害を受けました。

被災地では日夜、復興に向けて懸命な取り組みが続けられていますが、コロナウイルス感染の影響もあり、災害支援ボランティアがなかなか集まらず、遅々として作業が進んでいないようです。

被災者の皆様に一日も早く、日常の生活が戻ることを祈るばかりです。

 

さて、今回の園長日記ですが、当園の絶滅危惧種について、ご紹介させていただきます。


とは言え、そもそも、全国の動植物園は、希少動植物の『種の保存』という役割を担っていることから、絶滅危惧種の動植物ばかりといっても過言ではありません。

従いまして、その中から哺乳類の動物について何頭かピックアップし、『なぜ絶滅危機に瀕しているのか』、『動物達を守る為に私たちができることは』という観点で、ご紹介させていただくことといたします。

 

まず、絶滅危惧種の中でも、最も深刻な状況にある『近絶滅種』に指定されている、クロサイです。近絶滅種とは、絶滅寸前で、ごく近い将来、絶滅の危険性がきわめて高いものです。

クロサイは、ケニアから南アフリカの地域の水場近くの草原に生息しています。大きな角を装飾品の材料などとして狙われ、いまでも密猟が行われています。


クラッグ

ミミカ
 

当園では、雄のクラッグ(写真上)と雌のミミカ(写真下)の2頭を飼育しています。現在、大切な種を守る為、2世誕生に向け、園を上げて取り組んでいるところです。

 

次に、みなさんご存じのキンシコウです。近い将来、絶滅の危険性が高いとされる『絶滅危惧種』に指定されています。国内でキンシコウを飼育しているのは熊本市動植物園だけで、当園のシンボル的な動物となっています。

キンシコウは、中国の標高3000m前後の山岳地帯に生息しており、西遊記の孫悟空のモデルとも言われています。金色に輝く美しい毛並みの毛皮を狙った狩猟が生息数を減らした原因ですが、近年では、生息地の開発や観光が新たな脅威となっているようです。

 

   フェイフェイ


   ヨウヨウ

 

 当園では、雄のフェイフェイ(写真上)と雌のヨウヨウ(写真下)の兄妹を飼育しています。2頭にお嫁さん或いはお婿さんを迎え入れることができるよう、現在、中国動物園協会に協議の申し入れをしているところです。

 

 

最後に、ホッキョクグマです。近い将来、絶滅が心配される『危急種』に指定されています。

北極海沿岸域の氷上や大陸の沿岸に生息しています。以前は、クロサイやキンシコウと同様に狩猟が主な生息数減の原因でありましたが、近年は地球温暖化や環境汚染が、ホッキョクグマを絶滅の危機にさらしています。

 

   マルル①


   マルル②   

 

当園では、雌のマルルを飼育しています。マルルは北海道の円山動物園から預かっており、2014年3月に熊本市動植物園にやってきました。おもちゃのボールがとてもお気に入りで、片手で投げて遊ぶ姿はとても愛らしいです。

 

以上、絶滅危惧の危険性の度合いに応じて、3種の動物をご紹介させていただきました。


いずれの動物においても、自然界における絶滅危機の原因は、私たち人間の欲やエゴを満たすための、狩猟や自然の乱開発によるものでした。


さらに、私達の日常生活の質の向上を起因とした、環境汚染や地球温暖化などの問題が、野生動物の更なる脅威となっています。

 

動物は、こられの脅威を回避する術を持ちえません。


私達一人一人が自らの生活に少しづつ不便を強いることが、自然環境を保全し、曳いては野生動物の保護に繋がることを念頭におき、日々の暮らしを見直してみることが必要ではないでしょうか。

 

冒頭で申しました通り、当園にはまだまだ沢山の絶滅危惧種に指定されている動物が暮らしています。

ご来園の際には、生命の鼓動を感じていただくとともに、動物が置かれる厳しい自然環境にも思いを馳せていただければ幸いです。

 

 

令和2年7月23日(木)

熊本市動植物園 園長 戸澤角充

 

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