平成30年3月28日(水)
熊本地震発生から714日。 当園にオスのクロサイ「クラッグ」がやってきました! と、簡単に書きましたが、和歌山県のアドベンチャーワールドからこちらへの移動が完了するまでには、たくさんの苦労がありました。 以下、クロサイ輸送を写真にてダイジェストでお伝えします。 3/27の夕方、和歌山のアドベンチャーワールドで、輸送箱への収容作業が開始。 事前に輸送箱の中へ入ることに馴らしていたとのことで、すんなりと入ってくれました。
クレーンで吊り上げて、輸送トラックに載せます。 オスのクロサイの体重は約1トン。 作業は緊張感の張り詰めた中、慎重に行われます。 無事に輸送箱の積み込みが終わり、和歌山~熊本へのロングドライブが始まります。 クロサイ搬入を見守るために出張していた当園のスタッフ2名も同乗しました。 クラッグは輸送中に暴れることもなく、大人しくお利口にしていたそうです。
翌日、3/28のAM8:00ごろ、当園に無事到着。
輸送箱を吊り上げるクレーンも到着し、搬入の準備は整いました。
クロサイ舎のむかいにいる、ツキノワグマも見慣れない光景に興味津々です。
2トンを超える輸送箱が宙に浮かび、集まったスタッフの中に緊張感が走ります。
輸送箱をあらかじめ計画していた位置に設置します。 クロサイは頭が写真右側を向いており、中で振り向くことはできない状態です。
頭側の扉を開けます。
クラッグと初のご対面です。 やはり、吊り上げて運んだこともあり、興奮状態でした。
続いて、お尻側に2本の馬柵棒(ませんぼう)を入れます。 これは動物が出入りできないようにするための、鉄製パイプのかんぬきのことです。 これを入れておけば、後ろの扉を外しても、急にクロサイが飛び出してくる心配はなくなります。
後ろ側の扉を外しました。 その後、スタッフ全員が放飼場の外に出てしまったのを確認してから、さきほどの馬柵棒を外します。
馬柵棒を外した後です。 後ろから見るとこんな感じです。 クラッグは慣れない環境で不安なためか、なかなか後ろから箱の外へ出ようとはしません。 この状態になったのが9:35でした。 ・・・・・・・・・・・・・・・ そこから1時間半、クラッグが自分から外に出てくれるよう、あの手この手を試しました。 箱の外から名前を呼びかけてみたり、 箱の外に大好きな枝葉を置いてみたり、 それでも、なかなかクラッグは出てきてくれませんでした。
11:05、何の前触れもなく、スッとクラッグは外に出ました。
そこからも、大変でした。 今後クラッグを担当するスタッフが好物(枝葉、芋、ペレット)を使って、寝室の中に入るよう誘導します。
時おり、興奮する様子も見られましたが、ゴハンが大好きなようで、担当スタッフの手からエサを食べました。 鼻の下をなでてもらうのも好きなようです。 この寝室への誘導も時間がかかりました。 寝室の入り口までは来るのですが、そこから部屋の中に入ろうとはしません。 根気強く、呼びかけながら、誘導を続けた結果・・・ 13:45、ようやく寝室に入ってくれました。 最後はとても眠たそうで、長旅の疲れもあってか、休みたくなったのかもしれません。 クラッグ君、そしてクロサイ移動に関わった全ての方々、本当にお疲れ様でした。 クラッグは運動場に十分に慣れさせた後で、展示を開始する予定です。 それまで、しばらくお待ちください。 熊本市動植物園スタッフ一同 |