続いて、阿蘇と熊本市動植物園のつながりについて話をしました。
1つ目は阿蘇と水のつながり。
熊本市動植物園は1日に約1200トンの地下水を動物達のために使用しています。
そして、その水は阿蘇山に降り注いで、地下に染み込んだ水が元になっています。
動物達が毎日、新鮮で冷たい水をもらえるのは阿蘇のおかげです。
熊本地震で断水になった時には、江津湖の湧き水のおかげで動物達の命が救われました。
2つ目は阿蘇の草原とゾウのつながり。
ゾウは1日に100kg以上の草を食べます。
アフリカにいる野生のゾウは600種類もの植物を食べているそうです。
日本の動物園では牧乾草を食べさている所が多いのですが、これにはほとんど同じ種類の草しか入っていません。
「もっとたくさんの種類の草を食べさせてあげたいなー・・・」
と、昔の当園のスタッフは考えました。
みなさん、阿蘇には何種類の植物がいるか覚えていますか?
600種類です!
そう、ちょうどアフリカのゾウが食べている草の種類と同じ数です。
そこで、30年ほど前から、阿蘇の草原に自然に生えている野草を乾燥させてゾウに食べさせるようになりました。
ゾウのウンチをきれいにして、固めたものを持参しました。
みんな、においを嗅いだりしていました。
阿蘇の草原は人の手で管理をしないと維持できません。
放っておくと雑木林になってしまうので、毎年野焼きなどを行っています。
当園で飼育している2頭のアフリカゾウは、1年間で草原の面積で約3ヘクタール分を食べています。
阿蘇の草原は約2万2000ヘクタールなので、微々たるものではありますが、
草原の維持管理にゾウも一役買って、美味しいご飯をもらった恩返し
ができているのではないでしょうか。
前半はここまで。
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