嗚呼おもしろい虫の声♪
次々と台風がやって来て、いつの間にか涼しい季節になりました。
猛暑だった今夏も終わりに近づくと、あれだけにぎやかだったセミの声と入れ替わるように草むらから虫たちの声が聞こえてきました。「リーリー♪」「ジージー♪」どんな姿をした虫たちがどんな声で鳴いているのでしょうか?
鳴く虫展開催
名前をよく知られている虫の実際の姿を見て、身近な虫たちの世界をのぞいていただこうと『鳴く虫展~秋の夜長・虫たちの饗宴』が開催されました。(9月1日(土)~9月17日(月)・土日祝日のみ)

会場では、唱歌「虫の声」に登場する虫をはじめ11種の生きた鳴く虫が展示され、時々良い声を聞かせてくれました。また、虫たちがどんなところにいるのかを図に示した「鳴く虫はこんなところにいるよ」、セミは大砲の音にもおどろかないといった「鳴く虫のひみつ」など皆さんの好奇心にせまる展示に加え、日本鳴く虫保存会会員の皆さんが探虫会で撮影した野生の虫たちの写真も多数展示。さらに、鳴く虫についてのガイドも実施され、野生で鳴くマツムシ、クツワムシ、カンタンの鳴いている様子をその鳴き声とともにご覧いただきました。

では、その一部をご紹介しましょう。 大きなクツワムシ、小さなカンタン 展示した虫は、マツムシ、スズムシ、クツワムシ、コオロギ(4種)、ハヤシノウマオイ、ヒガシキリギリス、カンタン、クラズミウマ*で、そのうち一番大きいのはクツワムシ(50~53 mm)、一番小さいのはカンタン(14~18 mm)でした。*クラズミウマ自体は鳴きませんが、同じカマドウマの仲間にはタッピングで音を出すものも確認されています。

クツワムシ

カンタン
特に、カンタンという虫にはなじみのない方も多く、小さい緑色の虫なので展示ケースの中を一生懸命覗きこみ、「カンタン?あっ、いたいた!ちっちゃいね。」という声がたくさん聞かれました。
ところで、カンタンはリンゴが大好きで、リンゴだけで何ヶ月も飼育が可能です。
木の上にもいる鳴く虫
秋の鳴く虫というと草むらで鳴いているイメージが強いかもしれませんが、いろんなところに鳴く虫はいます。それを示したのが「鳴く虫はこんなところにいるよ」です。
スズムシやキリギリスは草むらでよく鳴きますが、木の上にはアオマツムシやヤブキリが、かん木のしげみにはマツムシやウマオイ、カネタタキが鳴いています。コオロギやケラは土を掘って潜る習性があり、背の低い草地の小石などをどかすと、その下でじっとしていたりします。虫が好きな場所を探すのも楽しいかもしれませんね。
そういえば、ケラって最近あまり見かけませんが、ケラも「ビ~~」と鳴く、立派な鳴く虫です。
虫の声が聞こえるのは日本人とポリネシア人だけ!?
人間の脳は右脳と左脳に分かれ、それぞれに得意分野があることをご存知の方も多いでしょう。一般に、右脳は音楽脳で音楽、機械音、雑音を処理し、左脳は言語脳とされ、人の話し声の理解等論理的知的な処理をするといわれています。
では、虫の声はどちらの脳で処理されるのでしょう?いろいろな国の人についてこのことを調べた結果、日本人とポリネシア人は左脳で処理し、その他の国の人は右脳で処理するという研究報告があります。つまり、日本人とポリネシア人は虫の鳴き声を「声」として聞いているのです。その他の国の人には、「雑音」として聞こえるそうです。参照:右脳と左脳-その機能と文化の異質性- 角田忠信 小学館
もちろん、昆虫には声帯がないので「虫の声」というのは正確な表現ではないかもしれません。正確には「虫が出す音」といったところでしょうか。しかし、古くは万葉集でも虫の声の歌が詠まれているような、虫の声を愛でる日本独特の文化、ステキではありませんか?
「鳴く虫」は、美しい蝶やカッコいいカブトムシに比べて地味な存在ではありますが、それぞれ個性的な声を届けてくれる健気な昆虫です。資料館ではこれからも鳴く虫の興味深い情報をお届けできればと考えています。
☆★資料館・津田★☆
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