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東海大学農学部と共同シンポジウム開催しました!

2018年11月4日(日)

  平成30年11月4日(日)

 

 

熊本市動植物園と東海大学農学部の第6回目の共同シンポジウム

「動物たちの親子関係」~動物園で動物の社会を考える~

を開催しました。

 

 

 

 

今回は、動物の親子関係や動物たちがつくる社会について知ってもらい、幼少期の動物たちの社会化がいかに大切かを知ってもらい、また、みなさんに考えてもらおうというねらいの内容です。

 

 

講師の先生3人による講演と、8月のブログでも紹介した「ここが変だよ動物園」というプログラムに参加してくれた高校生を交えたパネルディスカッション。

 

 

 チラシ

 

パネルディスカッションのパネラーとして、熊本県民の方にとっては、とっても親しみのある

村上 美香氏(ヒトコト社 代表)を特別ゲストに迎えました。

(この後は県民が慣れ親しんでいる呼び方「美香ちゃん」と書かせてください。)

 

美香ちゃんは、今年3月まで熊本の民放放送局でアナウンサーとして大活躍されていました。

今回のシンポジウムでは司会進行も美香ちゃんにお願いしました。

さすがです!とてもきれいな声で、心地よきです。

 

さて、シンポジウム最初の講演は、当園獣医師・松本充史による

「動物園動物の親子関係 ~動物の正常発達をめざして~」です。

 


松本主幹 講演

「種の保存」の役割を持つ動物園として、時々ぶつかる「人工哺育」という壁。

 

人工哺育で命を守り、健康に育ったとしても、

その動物の本来の姿に戻すことができるか、

次の世代の繁殖に適応できるか、

人がその動物の成長にどの程度、関与すべきか...

 

 動物園の飼育スタッフが誰しも直面する問題。

 選んだ方法が正しいのかどうかはずいぶん先にならないとわかりません。

 その葛藤について、お話してくれました。

 

 

 

次に東海大学農学部応用動物科学科 今井 早希先生の講演

「ほ乳類の子育て ~幼少期環境の影響~」

 

今井先生

 

実験動物が御専門の今井先生ですが、先生のお話は、一人の親として考えさせられる内容でした。

 

幼少期の育つ環境がいかに大切か、

親が子を養育することと、子が親に愛着することのお互いの行動が、親子関係を築く...

成長後に養育環境がいかに影響されているのか。

 

研究者の立場から、わかりやすく話をしていただきました。

 

先生の実験動物で研究されていることは、ヒトでも同じことが言えるのではないかなぁと感じました。

 

 

 

そして3本目の講演は、京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリの森村成樹先生の

「チンパンジー母子の長くて深い絆 ~母子分離の長期的問題~」です。

 

 森村先生

森村先生は飼育下はもちろん、野生のチンパンジーとも数多く関わってこられた経験がある方です。

 

野生のチンパンジーたちが作りだす社会を動画を交えて、楽しくお話していただきました。

 

また、飼育下でも親に育てられたチンパンジーと人工哺育で育ったチンパンジーが、成長してから道具をうまく使えるかどうかの比較。

チンパンジーの親が育てたほうが、周りの大人の行動を見よう見まねができるので、道具を使いこなすのが上手。

 

当たり前のことのようですが、人間は動物を育てることはできるかもしれませんが、

親になることは決してできないと感じました。

 

講演の最後にあったチンパンジーの小話。

来場していただいたお客さんが思わず笑ってしまう内容。

チンパンジーの表情で気持ちがわかるなら、その看板を作ってほしいとの要望もありました。

 

 

 

続いて、高校生と美香ちゃんを交えたパネルディスカッション。

「動物園はどこに向かう? ~高校生の提案を軸に~」

 

コーディネーターは東海大学農学部応用動物科学科の伊藤 秀一先生。

 

まずは、伊藤先生から問題提起。

            ①動物園での人と動物との関係について

            ②動物の状態について

            ③動物の管理・利用法について

総合討論1

 

問題提起された課題について、高校生、素人代表の美香ちゃん、野生動物と関わってこられた森村先生、研究者の今井先生、動物園スタッフの松本獣医師がそれぞれの意見や見解、想いを語り合うパネルディスカッション。

 

 

総合討論2

  

 

総合討論3

 

パネリストとして参加していただいた高校生や、友達来てるから(?)聴きにきた高校生。先生から聴きに来なさいと言われたのか、自主的に来たのかは定かではない先生の教え子さん。

また、関西の動物園の飼育スタッフの方。

熱い、熱いトークセッションは、予定時間を過ぎる内容となりました。

 

インタビュー1

 

パネリストの美香ちゃんが、自らマイクを持って、インタビュアーになるという不思議な光景。

「私、こっちのほうが得意です!」と、フロアのお客さんにぐいっ!とマイクを向けて、何かを引き出そうとする様子。さすが、プロ中のプロだな~!と感心しきり。

 

インタビュー2

 


今回のディスカッションで、特に熱く語られた内容。その一部しかご紹介できませんが...

 

【展示方法について】

・楽しい場所である動物園で動物が見えないのは寂しいので、近くで見たい!

・動物のストレスを配慮したほうがいい

・単独ではかわいそうと思うかもしれないけど、その動物が群れで生活するのか単独行動をする動物なのかを考えるべき

・動物を見るポイントは、とらえかたしだいで、遠くても近くてもおもしろい

 

 

【動物の状態について】

飼育スタッフしか知らない情報が一番おもしろいと思う。その情報発信が不足している。

(あまり動物園に来ない学生さん)説明板の字が小さい。一番伝えたいことを、一言で言う!

野生の個体が減ったと気付いた時にはもう手遅れだと思う。ストレスフリーよりもストレスを発散させる方法を考えるのが大事だと思う。

 

 

動物ショーについて】

・「かわいい」でよしとするマスコミもよくない。それを見て喜ぶ視聴者がいるのもマスコミを助長させているのでは?

・動物の特性をいかしたものであればいいと思う。

・そもそも「ショー」という言葉がよくない。「トレーニング」とか言い方は他にもある。

・動物の健康管理や動物の状態を知る目的では有効。

・動物園側が行っている「トレーニング」は、「ショー」ととらえられてしまうのではないかと心配。 

 説明看板掲示しているけど、あまり見てもらえていない。

 

などなど。

こちらのブログで全部のご意見を紹介できないのがとても残念です。

 

最後のショーについては、伊藤先生の締めのお言葉。

「動物がかわいい」という尺度から、「何が楽しいのか」を伝えることが大切なのではないか、と。

 

 

高校生パネリストのみなさん、勉強や部活(遊びも?)と、とても忙しい中、参加していただき、ありがとうございました!

私たち動物園で働く者にとっては、みなさんのご意見はとても参考になり、今後に活かしていかなければならないと強く感じました。

 

(それにしても、しっかりとした意見を持った、すばらしい学生さんばかりで感心しました。)

 

 

 

さて、さて。今回のシンポジウムに引き続き、

 

11月17日は東海大学熊本キャンパス

18日は熊本市動植物園で

 

「第21回SAGAシンポジウム

(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援するつどい)」

添付資料 SAGA21 新しいウィンドウで(PDF:9.07メガバイト)

 

が開催されます

 

 

このシンポジウムの中でも、今回の高校生が参加された「ここが変だよ動物園」のプログラムについて紹介する機会があります。

 

どなたでも参加できますので、ぜひ足をお運びください!

 

 


 

 

 

 


 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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