集まれ、エサハンター!!
4月19日は、419(しいく)の語呂合わせで『飼育の日』。今年の飼育の日のイベントとして、資料館では4月21日(日)に「集まれ、エサハンター!!」が実施されました。資料館で飼育されている魚類等のエサになる生き物を園内の日本庭園の小川で実際に捕獲、観察し、資料館でどのようなエサを食べさせているのか見てみようというイベントです。
とても良い天気にも恵まれ、14時からの受付では5分ほどで定員の10名に達しました。定員に達してすぐに、エサハンタ―となったお子さんたちとその親御さんたちと一緒に、バケツと網を持ってレストラン裏の日本庭園の小川に降りていきました。
エサハンター勢ぞろい
早速、エサのハンティング!小川を渡る飛び石の上からみな一生懸命に水草の下あたりをごそごそとスウィーピングしました。何回か繰り返すとそれぞれヌマエビやスジエビなどのエビや小さいドンコを見事ハント!!「このエビたちがエサになるのかな・・・」みんなバケツの中のそれらの生き物をしげしげと眺めています。
何が捕まったかな?
スジエビがいた!ヌマエビもいた!
「では、ここで今捕まえた生き物は放しまーす。」資料館の職員が言うと、「えっ!!」という表情のお子さんもいました。せっかく捕まえた小さな生き物たちを家で飼いたかったのかもしれません。
その後、参加者の皆さんは資料館のバックヤードに移動。バックヤードの水槽で飼われているオオクチバスがキビナゴをもらうのを見学しました。これは野生のバスを釣ってきたもので、最初は水槽に入れられ違いすぎる環境がストレスだったのか、全くエサを食べませんでした。何も食べないまま1か月ほどが経ち新しい環境に少し慣れた頃、小さい魚を取ってきて生きたまま与えたりしながらさらに慣らしました。このようにして少しずつキビナゴなども食べるようになったのです。
次に向かったのは資料館の研究室。ここは室温が20~22℃に保たれており、展示していない魚類や両生類(カエル、イモリ、サンショウウオ類)、爬虫類(ヘビ類)のほか昆虫(カブトムシ、クワガタムシ、コオロギ類)も飼われています。
ここで、エサハンターの皆さんはウナギやナマズがキビナゴをピンセットから食べる様子を見学しました。このウナギもナマズも昨年春までは生きたスジエビやヌマエビしか食べませんでした。今は、この通りピンセットからキビナゴを食べています。エサの時間になると、筒から出てきてエサをねだる時さえもあります。うーん、ウナギにあるまじき行為かも・・・
ピンセットからキビナゴを食べるウナギ
もちろん、生きたエサの方を魚やカエル、サンショウウオたちは喜びますが、人工的な環境で飼育している以上、キビナゴなどの常に手に入るエサも食べるようにしておくことで円滑な飼育が可能になります。そのため、最初は生きたエサしか受け付けなくても、少しずつキビナゴ等のエサに慣らしていきます。
また、資料館では生きたエサも常時確保できるように、日本庭園内の小川で捕獲したヌマエビの養殖や、園内の草むらで捕獲したエンマコオロギやタンボコオロギの繁殖飼育もしています。ちなみに、コオロギ類はサンショウウオやカエルのエサに使われます。
エサハンタ―の中には、一緒に来ていたお父さんに「帰りに網を買って帰ろう!」とねだっているお子さんもいました。短い時間ではありましたが、身近な環境で小さな生き物をハンティングするのがとても楽しかったのでしょうね。
☆★資料館・津田★☆
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