カエルのひみつ
今年のゴールデンウィークは平成から令和にかけての10連休!この10連休の間、熊本市動植物園はずっと開園し、『春のこどもまつり』が実施されました。その中で、動物エンリッチメント(飼育動物が幸福な暮らしを実現するための方策)に関連した動物が喜ぶガイドが様々な動物について行われました。
資料館では、ゴールデンウイークの初日、4月27日(土)にカエルのガイドを実施しました。資料館では、資料館つれづれNo.4【資料館の冬支度】や資料館つれづれNo.10【春のスイッチはどこにある?】でもご紹介した通り、二ホンアマガエル、トノサマガエル及びニホンアカガエルの3種類のカエルを飼育しています。
ジャンプ力のあるトノサマガエル
いずれのカエルも熊本に生息する日本のカエルです。ほんの数十年前までは雨が降ったりした時にふつうに見かけたこれらのカエルも、現在は数が少なくなり、今や希少種の仲間入り。
卵を産んでスリムになったニホンアカガエル
カエルのガイドでは、次のような知っていそうで知らないカエルの生態についてのお話が満載でした。
カエルはどんなものをエサとして食べているのでしょうか?基本的には生きた虫が主食です。目に映る範囲内に動くものがいれば飛びついていきます。ただし、反応するのは自分の口に入る大きさまでのようです。カエルの舌は水のようなさらさらの唾液と粘着テープのようにベタベタする唾液を使い分ける優れもの!!これで、捕まえた虫を逃がすことなく食べることができるのですね。
皆さんはカエルに実際に触ったことがありますか?実際に触った感触はどうだったでしょうか?カエルの皮ふはぺたぺた湿っています。これは、皮ふ呼吸をするためです。皮ふ呼吸では、皮ふから水に溶け込んだ酸素を取り入れ、皮ふを通して二酸化炭素を体外に出します。カエルの肺はあまり発達していない簡単な作りの肺なので、カエルは肺呼吸だけでなく皮ふ呼吸もするのです。
さて、毒ガエルというとどんなカエルを思い浮かべますか?赤や青、黄色などのカラフルな毒ガエルの写真等をご覧になったことがある方も多いことでしょう。実は、派手な色をした「いかにも毒があるぞ」というようなカエルだけでなく、ほとんどのカエルが皮膚に毒を持っているようです。この毒はとても弱い毒で、湿った皮ふに悪い菌が繁殖するのを防ぐ働きをしています。
だから、カエルに触ったら(他の生き物でも同じですが)手をしっかり洗いましょう!
話を聞きながら興味津々のこどもたち
カエルは周りの環境に合わせて体の色を変えることができます。ただ、どんな色にも変わることができるわけではありません。白、灰色、茶色、緑
の4色をベースに変化します。カエルが目で見た情報が脳に伝わり、体の色を作り出す細胞に働きかけて変化するようです。
布をかけないアマガエル
ガイドの時には、アマガエルに布をかぶせて暗くしてみました。30分もすると、このように黒っぽく変化してみんなびっくり!カエルは夜行性。夜に捕まえてみるとこんな感じの色なのかもしれませんね。
30分布を被せて変身!
この他にも、まだまだたくさんのカエルのひみつが詰まったカエルのガイドにお客さんも大満足のようでした。
☆★資料館・津田★☆
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