🐧フンボルトペンギンのケイの成長日記🐧
当園では約5年ぶりにフンボルトペンギンのヒナが生まれました。 名前は「ケイ」です。 ケイが生まれたのは、昨年末のとても寒い冬の雨の日でした。 元気に育つか心配になった時期もありましたが、両親の温かい子育てと、飼育員の懸命なサポートによってすくすくと成長しました。 以下、日記形式で振り返ってみたいと思います。 ・ ・ ・ ・ ・ 2019年 11月11日 父「とも」母「キウイ」がタマゴを産みました。 フンボルトペンギンのペア(両親)は絆がとっても強く、一生同じペアで同じ巣で暮らし、助け合って卵を温めたり、子育てをします。
12月26日(体重146g) タマゴが孵化してヒナ(ケイと命名)が生まれました。 その日はとても寒く大雨の日でした。 巣は屋外の雨が流れこみやすい場所にあったので、ケイが弱らないか心配でした。 そこで「ひっこし大作戦」を実行しました。 両親をあったかい室内の巣にお引越しさせる作戦です。 上手くいくかな? 生まれて数日後のケイ。 ふわふわでとても小さかった。
12月27日 引っ越し作戦・・・失敗。 ペアは引っ越し先の巣では子育てをしないようでした。 そこで、次の「仮親作戦」へと移行しました。 別のペア(父「パトリック」母「なぎ」)にケイを託してみる作戦です。 鳥の仲間は別の親が生んだ卵を温めたり、別の親のタマゴから生まれたヒナを育てることがあります。 今度こそ上手くいってくれ!
12月28日 仮親作戦・・・成功! なぎ&パトリックは大事にケイを守って子育てしていました。 ペアは自分が食べた魚を吐き戻して、食べやすくしてから、口移しでケイに食べ物を与えます。 父と母は交代でケイと巣を守る。 体重測定をするためにケイを取り上げる際は、親鳥の鉄壁の守りを(嘴で激しく突いてくる)をかいくぐらなければいけない。 測定が終わったらすぐに、ケイを巣に返す。
12月31日(体重308g) 1月10日(体重619g) 1月18日(体重870g) すくすく成長中。
2020年 1月23日(体重1.26㎏) ケイが苦しそうに呼吸しているのでレントゲン撮影をしたところ、肺に炎症が見つかりました。 毎日お薬を飲ませ始めました。 1月25日(体重1.25㎏) 体重が増えなくなったので、ペアだけでなく、飼育員も1日2回手渡しでケイに魚を与えることにしました。 この日から毎日ずーっと、飼育員はみんなで交代で一生懸命ヒナに魚を食べるさせました。 2月1日(体重1.63㎏) 2月10日(体重2.1㎏) 2月20日(体重2.77㎏) ふわふわの羽が防水性の成鳥の羽へと生え変わっている途中です。 頭の一部だけふわふわが残ってモヒカンに見えた時期もありました。 このヒナの換羽は一生に一度ですが、 成鳥になっても古い羽が1年に一度、新しい羽に換羽します。
2月27日 やっと、呼吸が苦しそうではなくなりました。
3月5日(体重3.22㎏) 飼育員が魚をあげる回数を1日1回に減らしました。
3月11日 朝一、ケイが行方不明に。 探し回ったところ、プールで泳いでいるところを発見されました。 それまでは、巣からあまり遠くに離れることはありませんでした。 よっぽど嬉しかったのでしょうか。 ケイは朝から夕方までずっと泳いでいました。 何食わぬ顔ですいすい泳ぐケイ。 誰に教えられた訳でもないのに、最初からとても上手な泳ぎでした。
3月15日 飼育員が魚をあげるのはこの日で最後にしました。約50日間、ケイに魚をあげ続けたのはと
ても大変でした。一日中つきっきりのペンギンの両親は本当にすごいです。
4月14日(体重3.4㎏) すっかり大きく成長したけど、まだ一人では魚を食べれません。今でも両親から口移しで魚を もらっています。
久しぶりの体重測定。 ペンギン担当者(木下雅晴)と一緒に。 孵化直後から大きく成長するまでの間、ケイの育雛や治療を行うにあたって「下関市立 しものせき水族館 海響館」の皆様に多大なるご指導、ご協力を頂きました。
深くお礼申し上げます。 現在、コロナウイルスの影響により休園が続いておりますが、再開園した折にはぜひ、熊本市動植物園に足をお運びください。 それまでは、SNSやHP等で動物達の元気な姿を発信することで、皆様に少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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