アマガエルは何色?
日本国内で最も広い地域でみられるニホンアマガエル。その姿を見たことのない人でも『アマガエル』の名前をご存知の方は多いことと思います。小さくて緑色のかわいらしいそのビジュアルもすぐに思い浮かべることができるでしょう。
緑色のニホンアマガエル
ニホンアマガエルは体長が20~45mmの小型のカエルです。メスのほうが大きく通常オスは40mm以下です。かわいらしい姿をしていますが、皮膚から出る粘液には刺激性の物質が含まれています。ちょっと意外ですね。
「グエッグエッ」と連続して鳴きますが、繁殖期以外にも低気圧が近づくと興奮して鳴きます。天気が悪くなると鳴くので、これを「あま鳴き」といってアマガエルの名前の由来だといわれています。
目の周りの黒い帯状模様が特徴
鼻先から鼓膜の後ろまで黒っぽい帯状の模様が入っているのが特徴で、通常背中は緑色。でも、いつも緑色をしているのではなく、いろいろな色に変化します。実際、上の写真のアマガエルも全身に模様が入っているのが見えるでしょう。灰色や茶色にも変化することがあります。
こんな色にも!!
薄茶色の体の背中に緑色、横のほうには模様も見える
アマガエルの皮膚は表面から黄色素胞、虹色素胞、黒色素胞の三層構造になっており、この三層が光を反射または吸収することによってアマガエルの色が決定します。緑に見える状態は虹色素胞が緑の光だけを反射している状態だそうです。
体の色は環境の色にも左右されます。明るい緑色のカエルが入ったケースに黒っぽい布を被せてしばらくすると、体の色は黒っぽく変化します。自然の中で身を潜めるためのいわゆる保護色というわけです。しかし、環境の色だけで体の色が決まるわけでもありません。
下の2枚の写真をご覧ください。同じ飼育ケースの中にあっても、これだけ色や模様の違いが見られます。これは、カエルの体の状態によって色が変わるためといわれています。興奮しているときや緊張状態、ゆっくり休憩状態でも色に変化がみられるそうです。同じ個体が実にいろいろな色や模様に変化するので「今どんな気分なの?」と聞いてみたくなりますね。
左は緑色、右は茶色でどちらも模様入り
同じ飼育ケースの中で3匹とも異なる色
さて、5月22日に熊本市内で青いアマガエルが見つかりました。現在、動物資料館の研究室で飼育されています。すでにピンセットでの給餌にも慣れ、ワームなどを元気に食べています。
きれいな空色!
ピンセットにも慣れました
この青い色は、生まれつき黄色の色素がないために起こる現象なのだそうです。しかし、毎日観察しても青い色は変わらず模様も現れません。こんなにきれいな青色だと草むらにいてもすぐに天敵の鳥などに見つかってしまいそうですね。
実際、アマガエルの体の色については、まだ詳しいことはわかっていないそうです。生き物って不思議なことをたくさん秘めていて面白い!!キョロキョロして身の回りの生き物をじっくり観察してみるのも楽しいですね♬
☆★資料館・津田★☆ |