先日のブログでご紹介した、カンガルー病(前回のブログは こちら)を題材にして4月18日㈰に飼育の日のイベントをアカカンガルーでも行いました。
はじめに、「飼育の日」とは「419(しいく)」の語呂合わせから日本動物園水族館協会が飼育員の仕事について知ってもらい動物園・水族館にもっと興味を持っていただくことを目的として4月19日に定められた記念日です。 今年は4月19日が休園日だったため1日早いイベント開催となりました。
イベントでは、普段見ることのできない寝室を見学したり、どんな餌をあげているのかお話したりしました。(寝室や餌についても前回のブログに書いてありますので、併せてお楽しみください。)そして、飼育員が毎日行っている体調管理も体験してもらいました。
参加者の皆様には体調チェックシートをお渡しし、2グループに分かれていただきました。2頭のアカカンガルーを交代しながら飼育員と一緒に観察しました。
カンガルー病の特徴は、顔の腫れやよだれです。また、顔に顕著な症状が見られなくても口の中を気にして舌をベロベロと出したり顎や鼻をかいたりします。なので、そのような行動がないかも一緒に確認しました。加えて、アカカンガルーだけではなくほとんどの動物は脚をついて生活をします。脚を悪くすると横になって生活しなければならず、内臓に負担がかかります。なので、跳び方や歩き方、リラックスして寝転んでいる個体では足の裏の観察も合わせて行いました。
次に、アカカンガルーの体の特徴を知っていただくためによく観察しながら耳・前足・後足・尻尾の絵を描いていただきました。 耳は、他の草食動物がそうであるように大きなラッパ型をしています。そして、左右別々に動かすことができます。これは、天敵が近づいてくる音を素早く察知し、逃げるためです。オーストラリアでは1936年にフクロオオカミが絶滅し、アカカンガルーの天敵になる肉食動物はいなくなりましたが、同様に進化しています。
前足は、人間と同じで指が5本あります。前足は体をかいたり餌を掴んだりするのに使っています。さらに、雄同士の力比べや雌を巡って戦う通称ボクシングを行う時にも使います。
後足は、指が4本あります。後足は雄同士の力比べや雌を巡る戦いの時に両足で蹴るのに使います。1番大きな薬指はジャンプで移動する時に使います。薬指の両脇にある小さな人差し指・中指・小指は体をかく時に使います。
尻尾は、太く筋肉質でがっしりしています。ジャンプで移動する時は舵として使い、立ち上がったり両足で蹴ったりする時には体を支えるのに使います。
今回使用した体調チェックシートは冊子状にして持ち帰っていただきました。
最後に、普段餌と一緒にあげているカシの枝をあげてもらい、アカカンガルーがどのように餌を食べるのか観察していただきました。
普段より近くでアカカンガルーを観ることができたので、参加者の皆さま真剣な眼差しで観察されていました。
たくさんのご参加ありがとうございました。 |