人間が健康診断を行うように 動物園では動物たちも定期的に健康診断を行っています。 健康診断をすることで、病気の早期発見につながります。
5月17日にニホンイヌワシの一颯の健康診断を行いました。 ニホンイヌワシは捕獲のストレスなどもあるため、 年に1~2回を目安に健康診断をしています。 今回は、、暑さ対策のため、 健康診断と同時に寒冷紗も取り付けました。
健康診断で確認する項目は、 ・足の裏 ・総排泄腔(便や尿などの排泄物、卵・精子が同じ場所から出る部位。) ・目 ・胸の筋肉 ・羽 ・爪や嘴(必要ならケアをする) ・口腔内 ・採血 です。
前回の健康診断の際、 足の裏の左親指付け根に擦れた痕があったので心配していましたが、 今回、異常はなく綺麗な足裏でほっとしました。
こちらは総排泄腔の写真。 汚れたりもなく綺麗なピンク色です。
次に、目と胸のチェックです。 筋肉もしっかりついており、 胸の厚みもありました。 目の色も濁ったりなどなく正常な状態です。
こちらは尾羽の写真です。 通常12枚ある尾羽ですが、健康診断時には10枚確認しました。 イヌワシは左右交互に抜けていきます。 健康診断前に尾羽の抜けも確認できていたので問題ありません。 また立派な新しい羽が生えてきます。
今回は嘴が伸びていたので 嘴のケアも行いました。 (下記の写真はケア後の写真です)
今回の健康診断で新たに、口腔内の舌に黄白色の瘢痕化したものが見られました。 餌を食べる際に傷ついたのか・・・
現在、食欲も良く、便も正常。 ペリット(エサを食べた後、消化できない毛や骨などを筋胃でソーセージ状に圧縮して口から出します。)も綺麗な形のものを出していますが、 注意しながら観察をしていきたいと思っています。
採血の結果も前回よりいい数字です。
体重は3.59㎏。 イヌワシのオスの平均は3~3.5㎏ メスは5㎏ほど。
体重の結果を見ると平均より少し重めですね。 一颯はもともと体格の良い個体ですが、体重が重すぎると足に負担がかかり、趾瘤症(足に過度の負担がかかると、足の裏にタコのようなものができます。一度発症するとなかなか治りにくい病気です。)などを引き起こす原因にもなるので、現在餌の内容を見直して調整中です。
健康診断後も餌は完食。 外を眺める様子を見せてくれました。
こちらは数日後の一颯の様子。
止まり木の上で足を伸ばして休憩しています。 ずっと止まり木に止まっていると、足も疲れるので 時折こうやって足を伸ばして休憩させます。
リラックスしている状態です。
今回の健康診断で得た結果をもとに 餌の内容、体重管理など改善できるところは チームで話し合って改善し 一颯の健康管理に努めていきたいと思います。
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