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資料館だより⑥

2017年2月7日(火)

 

 

みなさま、ご無沙汰しております。

久しぶりの資料館だよりの更新です。

 

来たる225日の熊本市動植物園の一部開園では

動物資料館も開館します。

 

生き物の展示や

 

剥製標本の展示

 

動物について楽しく学べるレクチャーなど

 

楽しんでもらえるように準備しています。

 

ぜひご来館ください。

 

 

今回は、その準備の内容を少しだけ紹介します。

 

 

 kizi

 

こちらは、ニホンキジの剥製です。

 

動物資料館には

120体以上の剥製標本と

16体の全身骨格標本があります。

hakusei

 

 

その多くが、これまで熊本市動植物園で飼育されていた動物たちです。

 

古いものでは70年以上前のものもあります。

生き物を使ったものなので、

どうしても汚れたり虫がついたりしてしまいます。

 

そこで今回は、剥製を綺麗にしましょう!!

ということで収蔵庫からすべての剥製を出してきて

 

綺麗に掃除することになりました。

 

 

 

剥製を掃除したり保管するうえで1番の問題、それは虫です。

 

タンスに仕舞っていた服に穴があいている!!

本棚に置いていた本がぼろぼろに!!

という悲しい思いをすることが度々ありますが

 

その原因のひとつとしてあげられるのが、カツオブシムシという虫です。

繊維質のものや干からびた動物のタンパク質を食べる昆虫で、

どこからともなく現れます。

 

大量発生してしまった時には,文字通り穴だらけにしてしまいます。

カツオブシムシの被害にあうと

aomimi

 

このように悲惨な状態になってしまいます。

アオミミキジの立派な尾羽がボロボロに…

 

このようになってしまわないように

banjin


ベンジン

 

 

この独特のにおいがする液体を剥製に塗ると

剥製に潜んでいたカツオブシムシが出てきます。

 

 

 

benjn-1

くちばしと

 

benjin-2

足に塗ります。

 

これだけ塗っても、

剥製の中に潜んでいるカツオブシムシが残っていることがあるので

燻煙式の殺虫剤を炊きます。

 

今回は、念を入れて2回炊きました。

もうこれからは発生することはないだろう...と願います。

 

konpou

しっかり防虫出来たら、梱包します。

ホコリや外気も劣化の原因になるからです。


一体一体作業していく必要があるので

骨の折れる作業ではありますが、

貴重な剥製を後世に残していくために必要なことです。

 

開館した際には、剥製の展示も行うので

綺麗になった剥製をご覧になっていただけたらと思います。

 

 

 

 

 

ところで、このままだとカツオブシムシが

とても悪い虫に見えてしまうかもしれないので、

良いところも紹介しておきたいと思います。

 

 

 

ご紹介したように、カツオブシムシは繊維質のものや

乾燥した動物のタンパク質部分を食べます。

 

つまり、死んだ動物を分解してくれるのです。

きっと自然界では大活躍していることと思います。

 

また、小動物の骨格標本を作るときにも,カツオブシムシは活躍します。

 

ネズミやトカゲなどの小さな動物は、骨も小さく細いため

骨だけを取り出すのはとても大変です。

ところが,大量のカツオブシムシに身の部分を食べてもらうことで、

きれいに骨だけを残すことができます。

 

悪名高いカツオブシムシですが

このように良い(?)面もあります。

 

もしかしたら、害虫とよばれている他の虫も

見方を変えればおもしろい発見があるかもしれません。

 

 

動物資料館

堀 鎌田 福本 松崎 吉仲

 

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