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園長日記

キンシコウへの誘いVol.4・5

2014年3月31日(月)

キンシコウへの誘(いざな)い Vol.4

 

大問題!

 

それは、繁殖期になって夏から秋の結婚のシーズンになっても、雌の貝々(ベイベイ)が雄の宝々(パオパオ)を受け入れないということです。観察すれども、観察すれどもまったく交尾行動を行わないのです。宝々はヤル気満々なのですが、貝々がそ知らぬ顔をするのです。

 

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宝々と貝々

 

  

 キンシコウについては毎日尿の検査を行っており、貝々については尿中の発情を促すエストロゲンというホルモンの検査を行っていました。これが一向に上昇しないのです。動物の雌には性周期というものがあり、そのホルモン値のピークに交尾が頻繁に行われるというのが通常のことなのですが、これが確認できないのです。

 

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宝々

 

 

胡さん(飼育係)、沈さん(獣医師)と話しても、明快な答えが返って来ないのです。

大人気のキンシコウに待望の赤ちゃんが望めないとなると、これは大問題です。

胡さんと沈さんも申し訳なさそうでしたが、そのような中で半年の熊本滞在も終え中国(西安動物園)に帰国されました。

さぞや無念であったろうと思います。

 

お二人が帰国された後も、貝々については、あれやこれやと調べましたが、結局、貝々に繁殖能力がないという結論に達しました。

そこで、中国動物園協会に申し入れましたところ、意外と簡単に雌の交換をしましょうということになりました。

 

平成710月に西安動物園に交換する雌の準備できたと案内が来ましたので、その雌を確認のため、当時の川崎園長と私とで西安動物園に行くこととなりました。胡さんと沈さんとの再会も楽しみです。

 

私達が西安動物園に到着すると、市の幹部の方々、園長さんはじめ動物園の皆さんから大歓迎を受けました。胡さん沈さんとも再会し抱き合って喜びました。同じ苦労をした仲間です。それは国境を越えても変わらないですね。

 

早速、園内の一角にあるキンシコウ舎で紹介された雌は、盼々(ヘンヘン)という4歳の元気な雌でした。これなら宝々とも気が合うのではという感触を得ました。

 

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盼々

 

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宝々

 

 

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宝々と盼々

 

 

待望のキンシコウ2世を待ち望む熊本市民の夢を乗せた盼々は、平成8510日、熊本にやってきたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

キンシコウへの誘(いざな)い Vol.5

 

 

平成8510日、盼々(ヘンヘン)はやってきました。

とても元気でチャーミングな5歳になったばかりの雌です。盼々の漢字は目元が麗しいという意味と聞いておりましたので、なるほどと納得したものです。

 


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盼々

 

 

盼々は熊本の環境にもすぐに慣れてくれました。

雄の宝々(パオパオ)も、盼々が隣の寝室に入ってからは、盼々の様子がとても気になるようでした。

 

 

 

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宝々と盼々

 

 

そして来園から約一週間が過ぎ、宝々と盼々の同居をキンシコウ舎運動場で試みました。

 

キンシコウは夏から秋にかけて結婚のシーズン(交尾期)を迎えます。若くて元気のいい盼々は、宝々との相性も良さそうです。

 

運動場での同居は順調に行き、6月には最初の交尾が見られ、10月までに100回以上の交尾を確認したのでした。

 

そして翌年の528日、宝々と盼々に待望のキンシコウの赤ちゃんが生まれたのを確認しました!

   

 

 


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宝々と盼々と赤ちゃん

 

 

・・・が、喜びもつかの間、新たなる心配が始まりました。

 

初産の盼々は赤ちゃんにしっかりと母乳を与えるのですが、驚くべき事実が判ったのです。

 

 

 

 

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盼々と赤ちゃん

 

 

モニターで夜間の様子を確認すると、明け方いつも、赤ちゃんがミャーミャー(適切な表現かわかりませんが)鳴きながら寝室の金網を床から昇っているのです。

 

母子はいつも止まり木にいましたが、よくよく観察すると、盼々が何と!赤ちゃんを引き離し、尾をつかんで、寝室の中くらいの高さにあるステップ上からコンクリートの床に落としていたのです!!

 


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盼々と赤ちゃん

 

 

その時の私達の驚きようといったらありません!

「頭打ったら大変だ、どうしよう!」

 

すぐにスタッフで協議し、木の枝をクッション代わりに床に敷き詰めることにしました。

このクッション材は、後に→山砂→スノコへと進化?します。

 

いやーとんでもないことになったとスタッフの心配をよそに、盼々はだんだんと子育てに慣れ、赤ちゃんも順調に育てるようになったのでした。

 

やはり、子育てのストレスだったのでしょうか?

 

 


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盼々と赤ちゃん

 

 

その後も、いろいろなことがありました。

赤ちゃんの人差し指と中指に盼々の毛が絡まり、赤ちゃんの指が開かなくなったのです。ハサミで毛を切ってあげるのは簡単なのですが、安全に盼々と赤ちゃんを引き離すまでが大変です。飼育員2人で待機して、盼々が赤ちゃんから離れた一瞬の隙に運動場に入り、1人の飼育員が盼々が赤ちゃんに近づかないようにしている間に、もう1人の飼育員が赤ちゃんを捕まえるのです。

 

思い返すと、赤ちゃんだけでもいろんなことがありました。でも、その時その時、皆で何がベストかと懸命に考えましたので、今でもありありとその状況が目に浮かびます。

 

 

 

「キンシコウへの誘(いざな)い」は今回が最終回です。

また、園長日記も私の担当が今回を持ちまして最後となりました。

今まで、ご覧いただきありがとうございました。

 

今後とも引き続き、熊本市動植物園をご支援いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 

 

                           平成26年3月31日 本田 公三

 

 

 

 

 

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