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いきもの学習センター

資料館つれづれNo.12『毛紡ぎって手間暇かかる作業!』

最終更新日[2019年6月8日]

毛紡ぎって手間暇かかる作業!

 

若葉の季節です。などと言いながら、今年も早くも夏日が続き熱中症が懸念される日々の到来です。セーター類はお洗濯して衣替えを終えたご家庭も多いことでしょう。今回はそんなセーターの材料である毛糸を紡いでみました(毛紡ぎ教室)

 

毛糸を紡ぐためには、まず、羊の毛を刈らなければなりません。

 

5月19日(日)にふれあい広場で羊のミーナ(サフォーク種)毛刈りが行われました。ブーンという鈍い音をたてながら、ミーナが座ったり、横になったり・・・いろんな姿勢で毛が刈られていきました。

 

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神妙な表情のミーナ

 

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こんな格好もしちゃいます!

 

今回ミーナから刈られた毛の重さは3kgちょうどでした。本格的に暑くなる前の5月に年に一度実施される毛刈りで、ミーナもすっきり!!

 

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ああ、さっぱりした~

 

刈ったばかりの羊の毛は、羊の油などで汚れていて、触るとヌルヌルします。なので、毛紡ぎに使う毛は、専用の洗剤でよく洗って干して、きれいになったものを使用します。丁寧に洗った毛はこの通り、汚れが落ちて白くなります。今回の毛紡ぎ教室では、昨年刈って洗った毛を使用しました。

 

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きれいになった羊の毛

 

このきれいになった羊の毛を紡ぐ前に、カーディングをします。これは、カーダーという針のたくさん付いた道具を使って、羊の毛をほぐして繊維をそろえていく作業です。

 

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カーディングの作業中

 

しっかりカーディングして、くるくるっと巻くとローラックスの出来上がり。あちこちに塊のあった羊の毛は、見違えるようにホワホワに!

 

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ホワホワローラックス♡

 

このローラックスを用いて、いよいよ毛を紡いでいきます

 

毛紡ぎには丸い板の中央に長い棒(軸棒)を通したスピンドルという道具を使います。スピンドルの軸棒に種糸を巻き付け、その先端に輪を作ったものを用意します。その輪にローラックスをほぐして羊毛を通し、その部分を持つ人とスピンドルを時計回り(丸い板に矢印がついています)に回す人との二人一組で糸に撚りをかけていきます。

 

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二人息を合わせて

 

ここで難しいのが力加減。引っ張る力や回す速度をうまく調整しながら作業しなければなりません。二人で立ち上がってクルクル。親子連れの皆さんや友達同士で参加の方がいらっしゃいましたが、参加者の皆さんは皆だんだんと無口になっていきました。

 

ローラックス2個分のほぐして少し引っ張りながら撚る作業を終えて、巻き取ったものを伸ばし、真ん中から少しずつ手でつまんでいくと、あら不思議!下の写真のような撚りのかかった毛糸が出来上がります。

 

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こうやって撚りをかけた糸が毛糸

 

羊の体を覆っていた毛からたった1本の毛糸を紡ぐのに、こんなに手間暇がかかるのですね。「昔の人はこうやって毛糸を紡いでセーターを編んで・・・偉かったねえ。すごいねえ。」と皆さん口々におっしゃっていました。

 

資料館では毎年毛紡ぎ教室を開催し、皆様に好評をいただいています。この羊毛を用いたイベントも皆様にもっと楽しんでいただけるよう工夫を加えていきたいと考えています。

 

☆★資料館・津田★☆

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