来園者のみなさまへのお願い
~マルルがゆっくりできるよう扉をオープンにしています~
熊本市動植物園ではみなさまに動物たちを見ていただけるよう、運動場に動物たちを展示しています。
そこで動物たちのことを少し考えてみてください。
自然界では人間の姿や声が聞こえると野生動物は姿を隠します。
しかし、動物園の動物たちは、開園している時間は常に来園者の視線を感じたり、声が聞こえたりします。
動物園の動物たちは人間に慣れてはいますが、野生動物としての本能を持っていますので、時には、姿を隠す、人目がない場所で休息することが必要なのです。
今回、ホッキョクグマのマルルの運動場と寝室の扉を常にオープンにしました。
マルルが人の目を気にせず休息できるようにするためです。
その時はマルルをご覧いただくことができないこともあります。
しかし、みなさまもマルルの立場に立って考えてみてください。1日中見られていると気が休まらずにどこかに隠れたくなりませんか?
マルルが自分の意思で遊んだり、泳いだり、人目を気にせず休んだりできることがとても大事なのです。
このように動物に与える苦痛を最小限にし、動物の生活の質を高め、幸せを実現することを“動物の福祉”と言います。
こどもたちがマルルに声をかけたくなる気持ちは十分にわかります。だからこそ、親や引率の先生方、私たちスタッフをはじめとするおとなは“動物の福祉”を理解し、大声で声をかけると、なぜマルルは落ち着いて過ごせなくなるのか、こどもたちへ教えてあげなければならないと思います。
それはマルルだけではなくすべての動物に対しても必要なことなのです。
熊本市動植物園に来園される方が動物たちにやさしい気持ちで接し、見守っていただきますようご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
|